ラウレス硫酸ナトリウムは本当に悪いのか

ラウレス硫酸ナトリウムは悪い成分という情報を聞いて、危ないなら使いたくないと思ったかもしれません。

悪い成分というのは良いか悪いか、白か黒かなど分かりやすい表現法の一つですが、実際は白でも黒でもあると表現したほうがよさそうです。

ラウレス硫酸ナトリウムは世界でもっとも使われる洗浄成分のため、悪い成分ではありませんが、洗浄力が強いことを否めない成分ではあります。シャンプーや歯磨き粉など化粧品に分類されるものから、食器用洗剤や掃除用シートまで幅広く利用されています。

ラウレス硫酸Naの基本情報・配合目的・安全性

シャンプーは公衆衛生を保つ役割もあるため、シャンプーしないよりはしたほうが衛生環境がいいため、ほとんどの人が使える価格で流通しています。ビジネスとして宣伝しているため、キャッチコピーはよくても、実際の効果がほとんどない、とくに安価な市販のシャンプーは洗うしかないのに、保湿や育毛などの誤解を与えています。

悪い成分は国が化粧品に使うことを認めないため、まともなメーカーなら配合しません。外国では成分に効果がある場合、濃度を無視して大量に配合することで健康被害がおきることはありますが、たとえば海外メーカーのカフェイン錠剤やエナジードリンクやオキシドール配合のホワイトニング歯磨き粉など、日本国内では濃度にも規定があるため、健康被害は起きにくいといえます。ラウリル硫酸Naが禁止された国では濃度の問題で禁止になった可能性があります。

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成分としてはラウリル硫酸Naが肌への刺激が強いため、分子を大きくすることで肌への刺激が少ないようにしたのが、ラウレス硫酸Naといわれています。肌への刺激はほとんどありませんが、洗浄力が強いため、たとえば肌に使うと脱脂という乾燥によって皮脂や常在菌を洗い流してしまいます。

皮脂は分泌され、常在菌はある程度減っても増えるため、とくに問題はありませんが、使い続けることで乾燥肌になりやすく、肌のバランスが崩れることがあります。歯磨き粉は口の中はだ液によって保湿されますが、乾燥があるときは別の歯磨き粉、たとえば歯周病予防の歯磨き粉に変えたほうが洗浄力が低いためよさそうです。成分が悪いというより、脱脂力が高いため保湿できないことが悪いらしいです。

食器用洗剤など手が乾燥するときは化粧水を使うことで、ある程度はバリアができ保湿できます。食器用洗剤はスポンジに少量垂らし、水を含ませ何回も握ると泡が立ちよく洗えます。大量に洗剤を使うと乾燥や肌荒れがおきやすいです。ハンドクリームのような美容液は油分のため、洗剤を使うと水と油が混ざりあう乳化がおき、洗い流されるため効果があまりありません。

シャンプーにラウレス硫酸Naが配合されているなら洗浄力が強いといえます。髪は死滅細胞のため自己再生することができません。ダメージ髪の補修は美容室で行う施術としてのトリートメントくらいしか本当の効果はありません。自宅で使うトリートメントまたはコンディショナーは補修とコーティング効果はありますが、美容室ほどの効果はありません。

美容師などがいう、シャンプーは洗浄成分が大事というのは、髪にできるだけダメージを与えないようにすることが大事という意味です。髪に傷みがあっても健康被害はありませんが、髪に傷みがあると地肌にも乾燥やかゆみがあるかもしれないので、ラウレス硫酸Naをメインとして配合するシャンプーは負担が大きいといえます。負担の少ない成分が高価なためシャンプーの価格も高めです。ラウレス硫酸Naは成分としての安全性は高くても、髪や肌の乾燥などは否めません。

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